23 無責任 ジョン・ダンの部屋

 

僕は、色白も、色黒も、両方愛すことができる、

贅沢にとろける女も、貧しさに負けて身を崩す娘も、

孤独を好む娘も、仮面劇や芝居を好む女も、

田舎育ちの娘も、都会育ちの女も、

騙されやすい娘も、疑い深い女も、

スポンジのような目でいつも涙をポタポタ流している娘も、

コルクのように渇いた目で、けっして泣かない女も、

あの娘も、この女も、きみも、そしてまたきみも、

誰だって愛すことができる、不実な女でありさえすれば。

 

きみを満足させるほかの悪事はないのか。

きみの母親がしたようなことを、きみがする番ではないのか。

古い悪事はやり尽くしたので、他のことをやりたいのか。

それとも、男の真心を恐れて、悩んでいるのか。

我々男に真心はない、だからきみもそうなりたまえ。

僕は二十人の女をものにするから、きみも同じことをすればいい。

僕から奪ってもいいが、束縛はしないで、自由にさせてくれ。

きみとよろしくやるために来た僕は、

きみの真心のために、奴隷にならなければならないのか。

ヴィーナスが溜息混じりの僕のこの唄を聞いて、

愛の最も甘美な部分である、変化にかけて誓うには、

こんな唄など初めて聞いた、二度とあってはなりません。

彼女は出かけ、調査をし、間もなく戻って来て言うには、

嘆かわしことに、二、三人、

恋に落ちた哀れな異端者がいて、

貞節を確立しようと危険なことを考える女たちがいた。

そこで、彼女たちに言ってやったのは、真心を貫けば、

不実な男たちに、真心を捧げることになるだけよ。

 

【訳注】

原題:’The Indifferent’

 

 

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ジョン・ダン全詩集訳 宗教詩