すべての王様も、すべての寵臣も、
名誉、美、才知に輝くすべての人々も、
時を作る太陽にすらも、時は巡り、
あれから一年、歳をとってしまった、
きみとぼくがはじめて会ったあのときから。
ほかのすべてのものは、破滅に向かって進むのに、
ぼくたちの愛だけが衰えることはない。
この愛は、明日もなければ、昨日もなく、
進みながらも、ぼくたちから遠ざかることなく、
最初も、最後もない、永遠の日を忠実に守る。
きみとぼくの亡骸(なきがら)を隠すには二つの墓がいる、
一つですむなら、死も離別とはならないのに。
ああ、ぼくたちもまた、ほかの王様たちと同じように、
(ぼくたちは、お互いにとって王様と同じ)
死ねば最後、この目とも耳とも別れなくてはならない、
真(まこと)の愛の誓いを聞いた耳とも、甘くて塩辛い涙で濡らした瞳とも。
愛のほかにはなにも宿さないふたりの魂は、
(ほかの思いが宿るとすれば、そんなものは居候に過ぎない)
肉体が墓に入り、魂が墓を抜け出るとき、
愛が天上で増大するのをはっきり示すだろう。
そのときこそ、僕らは十二分に祝福を受ける、
でもそれは、ほかの人たちにとっても同じこと。
地上にあっては、ぼくらは王様、ぼくたちのほかには
これほどの王様もいなければ、これほどの臣下もいない。
ぼくたちほど安泰なものはいない。ぼくたちを
裏切るものは、ふたりのほかにはだれもいない。
嘘か本当かの危惧をもつのはよそう。
気高く愛し、気高く生きて、
歳月に歳月を重ね、還暦を迎えて祝おう。
今日は、ぼくたちの治世の二年目のはじめの日。
【訳注】
原題:’The Anniversary’
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