昔も今も、恋などに値しない男が、
嘘つきで、弱虫なため、
自分の苦痛や恥を和らげようと思ってか、
自分の怒りを腹いせに女性全体にぶつけようと、
一つの法律を作り上げたのがこれ、
一人の女は一人の男と交わるべし。
それってほかの動物も同じかしら?
気の向くままに微笑み、光を投げ与えることを、
太陽や、月や、星は、法律で禁じられているかしら?
一晩、夫や妻のもとを離れて外泊したからといって、
小鳥たちは、離婚されたり、叱られたりするかしら?
動物たちは恋人を替えても
共有財産を失うことはないわ。
でも私たちって、動物より惨め。
美しく艤装した船を港に停泊させたまま、
新大陸にも出かけず、交易もしない人などいるかしら?
立派な邸宅を建て、庭木を植え、四阿(あずまや)を作っておきながら、
鍵をかけたまま何もせず、朽ち果てるに任せるかしら。
いいものもいいとは言えないわ、
大勢の人がそれを所有しなくては。
欲で独占すれば無駄になるだけよ。
【訳注】
原題:’Confined Love’
「夜明け」の詩と同じく、女性の口から語られる詩。
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