生来無知で愚か、そんな君に愛の手ほどきを教えたのは僕だ、
だのに、詭弁を弄することでは、君は
僕より巧妙になった。愚かだった君は、理解していなかった、
眼や手が表現する神秘な意味を。
それに、溜め息の違いを聞き分けて、
これは偽物だ、あれは絶望の声だと言えなかった。
また、流れる涙をもってして、
死に至る熱病なのか、一時的な発熱なのか診断できなかった。
あのころ、僕は教えていなかった、花言葉を
どのようにうまく組み合わせ、
束ねたら、口に出すことなく胸の内を
無言のまま、お互いに伝えることができるかを。
あの頃のことを思い出してごらん、
どの求婚者に対しても君の言葉は、私のお友達のお許しがあれば、だった。
あの頃は、君の将来の夫が誰になるかを教えてくれたのは、
月並みなおまじないごっこだけが、君の恋の手ほどきだった。
それにその頃は、一時間かけて口説いても、君からは
一言にも満たない返事しかなく、それも途切れ途切れの、
細切れになった格言で、バラバラな文章だった。
君は義務に縛られていようとも彼のものではない、
彼は君を世間の共有地から切り離して、
誰からも見えない、誰も見えないところに君を囲い込むが、
君は僕のものだ。恋の手ほどきで
君を祝福の楽園に仕立て上げたのは僕だ。
君の優美さや立派な言葉は、僕がその創造主。
僕が知識と命の木を君に植えたのだ、
それを見も知らぬ者に味あわせるのか?哀れにも僕は
皿を作ってエナメルで着色までしたのに、ただのガラスで飲むのか?
蝋を溶かしたのは他のものに封印させるためだったのか?
仔馬を調教して乗れる段になったら、手放すことになるのか?
【訳注】
この詩には題名が付いていなかったが、「教育」の題名は、ヘレン・ガードナーによる。
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