エレジー 5 絵 姿  ジョン・ダンの部屋トップへ戻る

 

さあ、僕の絵姿を受け取ってくれ、お別れだ。

君の絵姿は、僕の心の中、魂に住んでいて、これからも住み続ける。

絵姿は今も似ているが、僕がいなくなり、僕たち二人が影となってしまう時、

以前にもまして、もっと似たものとなるだろう。

風雨にさらされて僕が戻った時、僕の手は

荒々しいオールで引き裂かれ、顔は 

太陽に焼かれ、胸は粗布をまとい、頭は

心労のあまり、にわかに白髪で覆われ、

身体は粉々に砕けた骨を入れるズタ袋となって、

肌には弾薬の青い染みが散在している。

愚かな恋敵たちが、その時の僕の姿を見て

そんなに汚く、見苦しい男をよくも愛したものだと君を咎めるなら、

この絵姿が昔の僕を示すだろう。そして君は言うだろう、

あの人の傷がどうだっていうの?私の値打が下がるとでも?

あの人の傷が判断力を狂わせ、

あの人が見たいと思っていたものを、今では愛さないとでもいうの?

かつてあの人が美しく、優美であったものは

愛が幼少であるときに愛を育むミルク

であったけれど、今では愛も大人になったので、

口に合わなかった味も、口にすることができるのよ。

 

 
 
   
ジョン・ダン全詩集訳 エレジー