高木登 観劇日記2020年 トップページへ
 
   十文字セツ子オンステージ 1月の寒い夜 2020冬
   『へんてこな精霊とクリスマス・キャロル』
           No. 2020-001
 

 家主の代替わりで古いアパートが取り壊され、一人最後まで居座った十文字セツ子は今やアパートの物置暮らしのシリーズ第3作目。
 クリスマスの気分をかもし出す雪ぞりの鈴の音で開演となる。
 朗読を指導しているお金持ちの河原さんから残り物のおすそ分けでもらったステーキとエビで一月遅れのクリスマスを祝おうとしているところに、へんてこりんな二人の精霊がやって来てセツ子の生き方を改めるように迫る。
 頑なに抵抗するセツ子に精霊は、セツ子の過去・現在・未来を見せつける。
 セツ子にディケンズの『クリスマス・キャロル』のスクルージをダブらせ、脚本作家で演出家でもある武内紀子の作品3作を交錯させ、間に、精霊に扮するみちっちとまるせーらのへんとこりんによるピアノ、ヴァイオリン演奏と歌をはさんでドラマが進展していく。
 最後に朗読された萩原朔太郎の「クリスマス」の詩が印象的で、十文字セツ子を演じる北村青子の秀逸な演技とへんてこりんの歌と音楽演奏を心ゆくまで楽しませてもらった。
 上演時間は、1時間40分。


演出・構成/東洲斎重吉、上演台本/北村青子
引用テキスト:武内紀子『神の言葉』、『高枝切りバサミ』、『改造』)
1月25日(土)14時開演、南青山・ZIMAGINE、料金:3300円+ドリンク(700円)


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