高木登 観劇日記2019年 トップページへ
 
    女鹿伸樹と中村雅子による朗読 「あの夏の太宰」           No. 2019-022
 

~生誕110年記念朗読会~

 太宰治を愛してやまない女鹿伸樹と中村雅子の二人が出会ってから共演に至るまでの熱き思いのいきさつのまえせつから二人の息がぴったりとあってまるで漫才コンビのようで、聴衆にほんわりとした温かみで包み込み、会場の雰囲気を和ませてくれた。
前半部は、女鹿伸樹が「たずねびと」、中村雅子が「黄金風景」を単独で朗読。
女鹿の朗読では声の表情を楽しんで半ば以上目をつぶって情景を想像しながら聴き、中村の朗読では、太宰の生誕の地の登場人物の台詞では、その地の方言で朗読したのは、同じ地の出身の中村ならではの朗読で、何とも言えない和やかさがあった。
コーヒーと茶菓の休憩後、阿佐ヶ谷を舞台にした「不審庵」を二人で朗読、女鹿が着物の裾をはしょって股引きを露わにした姿で、黒縁の丸眼鏡で表情も拵えての登場に思わず笑ってしまう。
冒頭部分、黄村先生こと井伏鱒二が覚えたての茶の湯開催の招待状の候文を、表情、身振り豊かに女鹿が演読する。その後を受けての中村の朗読の最中にも女鹿は無言の場でも表情で演じ、舞台を観ている臨場感を感じさせた。
心和む朗読と演読を心ゆくまで満喫させてもらい、至福の時を過ごすことが出来た。感謝!!!


7月20日(土)14時開演の部、阿佐ヶ谷・カフェ・ド・ヴァリエテにて
料金:2500円(コーヒー・お菓子付き)


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