高木登 観劇日記2018年 トップページへ
 
   新国立劇場公演 『誰もいない国』             No. 2018-041
 

正直なところ自分の感性とは合わない劇で、後半部になっても何度も眠気に襲われただけでなく、観劇後は少々頭痛を感じた。
時間がたって振り返ってみると、会話が微妙にずれているところなど、チェーホフが自分の劇に対して言う「喜劇」性に通じるものがあったような気がする。
柄本明、有薗芳記など自分の好みのタイプの役者の出演と、今回初めて観る石倉三郎も面白い役者だと思ったし、他に若手として平埜生成が出演し、この劇にふさわしいキャスティングではあると思った。
演出者の寺十吾は「テラジュウ」と読むと思っていたら、プログラムの北村想によると、ナント「ジツナシ」と読ませるという。
そのわけは、「十」は「ツナシ」(一ツ、二ツと数える時、十はトウでツがないから、ツナシ)と、判じ物めいている。
3作連続上演の作品や演出者の選択から、今年度から新国立劇場の芸術監督となった小川絵梨子のその方向性が読み取れるような気がする。
上演時間は、途中15分間の休憩をはさんで、2時間20分。


作/ハロルド・ピンター、翻訳/喜志哲雄、演出/寺十 吾、美術/池田ともゆき
11月13日(火)13時開演、新国立劇場・小劇場
チケット:(B席)3078円、座席:バルコニーRB列37番、プログラム:800円

 


>>別館トップページへ