高木登 観劇日記2018年 トップページへ
 
   こまつ座第122回公演 『父と暮らせば』           No. 2018-018
 

1994年が初演の井上ひさしの『父と暮らせば』を初めて観たのは、1997年のこの劇の4度目の再演時で、この時はじめて、すまけいと梅沢昌代の舞台を観て、この劇その者に対する感動と、二人の演技に感動したのを覚えている。
その後、辻萬長と栗田桃子のコンビでも観ているが、この二人についてはこまつ座付きの辻と文学座の栗田ということでなじみがあった。
今回は、山崎一と伊勢佳世のコンビで、山崎一については今年上演された『シャンハイムーン』にも出演しており、その演技を見て楽しみにしていたが、伊勢佳世についてはこれまでにもこまつ座に出演したことがあるようになっていたのに記憶がまったくなく、今回初めて観る女優と思ってしまい、自分の記憶の不確かさと覚えが悪いのに落胆。
雷雨の中をあわてて家に駆け込んで帰って来たヒロインの福吉美津江(伊勢佳世)を押し入れの中から顔を出して迎えた父の竹造を演じる山崎一がすまけいそっくりに見えたのが驚きだった。
この劇を観る楽しみは、後半部になって涙ボロボロにさせる出演者二人の演技、台詞にあるが、今回も涙が流れるに任せて見入った。
この劇を観たら、絶対に核兵器など使用してはならないことが痛い程分かると思うのだが、一人でも多くの人がこの劇を観てその気持を共有できたらと願ってやまない。心、心、こころ・・・
上演時間、休憩なしで1時間30分。

追記
この劇を最初に観た記憶を確かめるためにこまつ座発行の「the座」(No. 31)をめくっていたら、12月公演予定の『マザンナわが町』のチラシが入っていた。偶然にも今年9月にはこの劇の再演があり、これも楽しみにしている。


作/井上ひさし、演出/鵜山 仁、音楽/宇野誠一郎、美術/石井強司
6月7日(木)14時開演、六本木・俳優座劇場
チケット:5500円、座席:4列18番

 


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