高木登 観劇日記2018年 トップページへ
 
   ギリシャ☆カブキ 『サギムスメ』            No. 2018-015
 

長唄舞踊「鷺娘」を劇化したカブク劇。
歌舞伎や人形浄瑠璃は当時の事件など時事的なものを素材にした作品が多くあるが、このギリシャ☆カブキ『サギムスメ』もその例にもれず、ごく最近の芸能界の出来事(不祥事)や政治的風刺などの内容を織り込んだ一種のファンタジーであった。
演劇ユニット「山山山(さんざん)」の3人の美大・芸大出身の男たちが褌一丁の裸姿で、いうなれば鷺娘のコロス的役割を演じるという一風変わった劇で、このふんどし姿でカブキを演じるというのが売りのようである。
サギムスメを演じるのは、東京シェイクスピアカンパニーでシェイクスピア劇を演じる川久保州子ことりりり子。
そして長唄三味線は四代目杵屋浅吉(武藤弓彦)と囃し方に望月砂田寿郎。
携帯電話などの電源を切る必要もなく、飲食自由、写真撮影・録音も自由、なんでもありの昔の芝居の原点に返った舞台で、江戸から現代、福島から江戸、東京、銀座、横浜と時空を自由に乗り越えるストーリーをあまり堅苦しく構えて見ない方が楽しめると思うが、つい癖になって真面目に観てしまった。
上演時間は、途中休憩を挟んで2時間。

引用作品:谷口香喬 「鷺娘」/月岡芳年 「新形三十六怪撰之内 鷺娘」
5月15日(火)19時30分開演、渋谷・サラヴァ東京、
料金:2600円(ワンドリンク付)


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