高木登 観劇日記2018年 トップページへ
 
   加藤健一事務所公演 『煙が目にしみる』            No. 2018-014
 

大型連休の最中というのに、満席で補助席も相当に埋まっていた。
13年ぶりの再演。初演は2000年3月、再演が02年5月、そして再々演が05年の3月。
観劇記録は2001年から始めているので初演を観たかどうかははっきりしないが、再演の観劇日記として感想を記録に残している内容からすると初演は観ていない可能性が高いようだ。
その再演の観劇記録を再録すると、まず演出者が今回と異なり久世龍之介、出演者も加藤健一、坂口芳貞(文学座)、岸野幸正(岸野組)、松本きょうじ、岡田達也(演劇集団キャラメルボックス)、有馬自由(扉座)、長江英和、一柳みる(昴)、白木美貴子、加藤忍、平田敦子、橋本奈穂子となっていて今回とは大幅に異なっており、感想をそのまま引用すると、
<笑いと、涙と、感動と。心を揺さぶる劇を観ると、心が元気づけられる。ただひたすらに満足感!もし、人の死に臨んで、その死者と会話を交わせることができたなら、どんなに素晴らしいことだろうかと思う反面、もしそのことが当たり前のことになったら、それはもう感激でも感動でもなくなるだろう。それが叶わぬ夢だからこそ、この劇も生きてくる。しかし、この劇のおばあさん(加藤健一)のように、普段はボケ老人であるのに、幽霊との会話ができるということも、ありえそうなこととして思えてくる。加藤健一のいかついおばさん役が愛嬌!でもあった。>
評価として<感激度>☆☆☆☆☆と最高点を付けている。
今回もその感想と感激度の評価は変わらないが、一つ付け加えるならば、山本郁子が亡くなった夫に向かって語る台詞に泣かされた。
今回の出演者は、加藤健一のお婆さん役は初演から変わらず、北野栄治役を新井康弘、野々村浩介を天宮良、その妻礼子を文学座の山本郁子、息子と娘役に久留飛雄己と吉田芽吹、北野栄治の娘に加藤忍、栄治の愛人役に菊地美香、浩介の従兄弟夫婦に伊原農と伊東由美子、レンタルビデオ店長に佐伯大輔、斎場の管理人に佐伯太輔らが演じた。
上演時間は、休憩なしで1時間35分。

原案/鈴置洋孝、脚本・演出/堤 泰之
5月4日(金)14時開演、下北沢・本多劇場
チケット:5400円、座席:B列18番


>>別館トップページへ