シェイクスピア以外の観劇記録・劇評

 

2015年7月の観劇日記

014 5日(日) 13時開演、文学座附属演劇研修所本科発表会 『わが町』

作/ソーントン・ワイルダー、訳/森本 薫、演出/松本祐子、歌唱指導/竹澤嘉明
出演/本科55期昼間部

信濃町・文学座アトリエ

【観劇メモ】
主要な登場人物が3幕通して俳優が入れ替わり、2幕ではジョージとエミリー役が結婚式当日に入れ替わるが、それほど気にはならなかった。
久しぶりに『わが町』を観たが、3幕の墓地の場面がやはり一番感動的というか、印象に残るいい場面であった。
上演時間:1時間50分(途中10分間の休憩)

 

015 12日(日) 18時開演、日本マイム研究所55周年公演

演出/佐々木博康
【プログラム】 
1.Tokyo、2.老人と海、3.銀河鉄道の夜、4、千曲川旅情の歌、5.木曽川の筏乗り
6.ボレロ、 ブリッジとして間に「綱引」、「蝶々とり」

江戸東京博物館ホール、チケット:3000円、全席自由席

016 26日(水) 19時開演、
        タイプスプロデュース公演『アリス・スカイ・コンディション〜空よ、笑って〜』

原作/不思議の国のアリス、台本/増本匡将、プロデューサー・構成・演出/パク・バンイル
出演/井口夢子(アリス)、梅津めぐみ(しろうさぎ、ピーター)、上田晃弘(帽子屋)、新本一真(詩人)、高橋かおる(トランプの兵士、クラブ)、森下友香(ハートのクイーン)、武田光太郎(ルイス・キャロル)、Anz・あんず他

座・高円寺2、全席自由席(最前列、中央の席にて観劇)

【観劇メモ】
原作の『不思議の国のアリス』をアレンジして、ダンサーのダンスや、Anz・あんずのエアリアルシルク・プレイ、詩人を演じる新本一真の詩の朗読の挿入など、エンターテインメントを心ゆくまで楽しんだ。
上演時間は、途中10分間の休憩をはさんで2時間。

 

017 29日(土) 12時開演、オフィスコットネープロデュース 『人民の敵』

作/ヘンリック・イプセン、翻訳/原千代海、構成・台本/フジノサツコ、演出/森新太郎
出演/若松武史、塩野谷正幸、瀬川亮、山本亨、松永玲子、有薗芳記、他
吉祥寺シアター、チケット:4000円、座席:A列9番

【観劇メモ】
『人民の敵』を観てシェイクスピアの『コリオレーナス』を思い出した。
人民の敵は、自分を高貴な存在とし、独り善がりで独善的で、傲慢で、片意地で、他人のことをおもんばかることを知らない。この作品の主人公ドクトル・トマス・ストックマンがまさにそのような人物で、それを瀬川亮がうまく体現していた。一方で、人民=大衆は定見がなく、どちらにも傾く存在で、その代表的人物が印刷所主のアスラクセン(青山勝)。『民報』の編集長ホブスタ(有薗芳記)は、人民の煽動者であるところなどが『コリオレーナス』に登場する護民官シシニアスと相似しており、比較の意味でも興味深かった。

 

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