シェイクスピア以外の観劇記録・劇評

 

2015年1月の観劇日記
 

001 20日(火)13時30分開演、俳優座70周年記念公演 『桜の園』

作/アントン・チェーホフ、訳/湯浅芳子、演出/川口啓史、美術/松井るみ
出演/岩崎加根子(ラネーフスカヤ)、森根三和(アーニャ)、桂ゆめ(ワーニャ)、小笠原良知(ガーエフ)、 千賀功嗣(ロパーヒン)、志村史人(トロフィーモフ)、児玉泰次(シメオーノフ・ピーシチク)、河原崎次郎(フィールズ)、他

俳優座劇場、チケット:5400円、座席:10列16番、プログラム:600円

【観劇メモ】
往年の岩崎加根子のファンであろう、観客はほとんどが高齢者で客席は満席。
幕間にはカーテンが降ろされ4幕劇の舞台セットが幕が変わるごとに変化し、額縁舞台の懐かしさを感じさせる。
舞台そのものには退屈さを感じたが、チェーホフのいう喜劇、笑劇(ファルス)を感じさせるものがあったのが救いであった。
志村史人が演じる大学生トロフィーモフの台詞に表現される、現在がとてつもなく遅れている時代で、100年、200年前の過去でると思いながらも、100年先の未来を思う滑稽さに喜劇性、ファルスを感じた。
プログラムを見ると、岩崎加根子の『桜の園』初舞台は1951年、アーニャの役で、ラネーフスカヤを始めて演じたのが1981年、続いて1991年、1998年とあり、今回が4度目のラネーフスカヤとなっている。
彼女のこの役の変遷を観続けてきた人には灌漑の深いものがあるかもしれないが、岩崎加根子のラネーフスカヤは過去の遺物のような物足りなさが残った。
上演時間は、途中15分の休憩を入れて2時間40分。

 

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