高木登劇評-アーデンの森散歩道-別館-2012年1月〜

 

2011年1月の観劇記録
 
001 14日(土)昼 こまつ座/ホリプロ公演 『十一ぴきのネコ』

原作/馬場のぼる、作/井上ひさし、音楽/宇野誠一郎、荻野清子、演出/長塚圭史  
出演/北村有起哉、中村まこと、市川しんぺー、粟根まこと、蟹江一平、木村靖司、勝部演之、他

新宿・紀伊国屋サザンシアター(座席、11列13番)、7800円

 

002 28日(土)昼 Project Nyx 第8回公演 『浅草版・くるみ割り人形』

作/寺山修二、脚色/岸田理生、構成・美術/宇野亜喜良、演出/水嶋カンナ、監修/金守珍  
出演/毬谷友子、水嶋カンナ、遠藤好、日野聡子、他 [演奏出演]黒色すみれ

吉祥寺シアター(座席、J列11番で最後の列だった)、4500円

 
2月の観劇記録
 
003 21日(火)昼 こまつ座公演 『雪やこんこん』

作/井上ひさし、演出/鵜山仁、音楽/宇野誠一郎、美術/石井強司  
出演/高畑淳子、金内喜久夫、村田雄浩、新井康弘、キムラ緑子、他

新宿・紀伊国屋サザンシアター(座席、9列21番)、7350円

 

004 27日(月)夜 東京演劇アンサンブル公演 『荷(チム)』

作/チョン・ボックン、訳/石川樹里、演出/坂手洋、美術/加藤ちか  
出演/チョン・スンギル、原口久美子、伊藤克、ウ・ミファ、桑原睦、大多和民樹、他

ブレヒトの芝居小屋(自由席、ハーフチケットデイで2500円)

 

【観劇メモ】
舞台は平底船の船底のようになっていて、観客席は舞台を両側から船底を見下ろす形。 歴史的史実を元にしているとすれば、日本人にとってこれほど厳しい糾弾はない。 日本人は戦争の被害者である前に、加害者としての罪を忘れてはならないことを知らされる。 国家(=軍)が犯した罪を、その国家を形成する加害者としての国民も、被害者側の家族も、家族の被害者を捨てたという罪を負い、その罰の荷を背負って生きていかねばならない。 一個の荷物はその象徴であり、我々はその荷物を背負っていて、いつかはその荷を開けて事実を直視しなければならないのだ。 そしてそれは永遠に忘れてはならない「荷」である。


3月の観劇記録
 
005 3日(土)昼 グループる・ばる No. 19公演 『八百屋のお告げ』

作/鈴木聡、演出/鈴木裕美  
出演/松金よね子、岡本麗、岡田美也子、加納幸和、井之上隆志、津村知与支

座・高円寺1(座席、A列12番、4500円)

 

006 9日(金)夜 加藤健一事務所公演 『シェルター』『寿歌』

作/北村 想、演出/大杉 祐  
出演/加藤健一、小松和重、日下由美、卜部房子

下北沢・本多劇場(座席、K列7番、5000円)

 

007 24日(土)昼 燐光群公演 『ALL UNDER THE WORLD −地球は沈没した』

構成・演出/リアン・イングルスルード、坂手洋二、
演出補/相澤明子、オリジナル・テキスト/坂手洋二  
出演/円城寺あや、宮島健、Benjamin Beardsley、中山マリ、鴨川てんし、川中健次郎、猪熊恒和、他

笹塚ファクトリー(自由席、3500円)

 

4月の観劇記録
 
008 3日(火)昼 『まほろば』

作/蓬莱竜太、演出/栗山民也、美術/松井るみ  
出演/三田和代、秋山菜津子、魏涼子、前田亜季、大西風香、中村たつ

新国立劇場・小劇場(A席、C列8番、高齢者割引、4987円)

 


009 24日(火)昼 こまつ座公演 『闇に咲く花』

作/井上ひさし、演出/栗山民也、美術/石井強司、音楽/宇野誠一郎  
出演/石母田史朗、浅野雅博、辻萬長、小林隆、石田圭祐、北川響、木村直也(ギター)、増子倭文江、山本道 子、藤本喜久子、井上薫、高島玲、大樹桜

紀伊国屋サザンシアター(4列19番、6300円)


6月の観劇記録
 
010 15日(金)昼 こまつ座公演 『藪原検校』

作/井上ひさし、演出/栗山民也、美術/松井るみ、音楽/井上滋  
出演/野村萬斎、秋山菜津子、浅野和之、小日向文世、熊谷真美、たかお鷹、山内圭哉、大鷹明良、津田真澄、山崎薫、千葉伸彦(ギター奏者)

世田谷パブリックシアター(S席:2F、B列28番、8500円)

 

【観劇メモ】
杉の市が二代目藪原検校となる晴れの日、殺したはずのお市が再び現れ、護身用の短刀で殺してしまう。その短刀を必死で抜こうとして抜けず、いつしか人だかりができる。杉の市は、金をやるから見逃してくれと通行人たちに必死に頼む姿が、リチャード三世の「馬をくれ、馬を。馬の代わりに王国をくれてやる」という場面と二重写しに感じたのは、杉の市を演じる野村萬斎が『リチャード三世』の翻案劇『国盗人』を演じたせいもあるだろう。

 

011 30日(土)昼 トム・プロジェクト企画[制作 『骨唄』

作・演出・美術/東憲司、劇中歌作/もりちえ  
出演者/高橋長英、新妻聖子、富樫真  

池袋・あうるすぽっと(J列5番、4000円)


【観劇評】★★★★☆

 
7月の観劇記録
 
012 14日(土) こまつ座/ホリプロ制作 『しみじみ日本・乃木大将』

作/井上ひさし、演出/蜷川幸雄、音楽/朝比奈尚行、美術/中越司
出演/風間杜夫、根岸季衣、六平直政、山崎一、大石継太、大川ヒロキ、都築香弥子、岡部恭子、朝海ひかる、    香寿たつき、吉田鋼太郎、他

彩の国さいたま芸術劇場・大ホール(S席、1階M列25番、8400円、プログラム/1500円)

 

【観劇評】★★★★★
劇中歌で思い題した、生まれ故郷の小倉で子供の頃歌っていた、しりとり歌や囃し歌。
ニッポンノ ノギサンガ ガイコクス スズメ メジロ ロシヤ ヤバンコク クロパトキン キンノタマ マカローフ  フンドーシ シメタ タカリャッポ ポンノヤリ リクグンノ ノギサンガ ・・・(とあとは繰り返し)。
出足は、ひょっとしたら「リクグンノ」かも知れないが、覚えていた通り記す。

もうひとつ。男の子と女の子が仲よくしているのを見て、はやし立てる歌。
○○ト○○ガ サンポシタラ センチンムシ ヘイタイサンガ ナランデトオル ウエカラオチルハ バクダンカ  ビリビーリ バリバリ ダイセンソー ネェーエ ポンコポンコ
(○○と○○が 散歩したら 雪隠虫 兵隊さんが 並んで通る 上から落ちるは 爆弾か ビリビーリ バリバリ 大戦争 ねぇーえ ポンコポンコ)

上の歌に関連した歌で、こういうのもあった。節廻しは「狸ばやし」の歌に合わせる。
ショ、ショジョジャナイ、ショジョジャナイショウコニハ ツン ツン ツーキノモノガ ナイナイナイ
(ショ 処女じゃない 処女じゃない証拠には ツン ツン 月のものが ないないない)

 

 

8月の観劇記録
 
013 19日(土)昼 こまつ座公演 『芭蕉通夜舟』

作/井上ひさし、演出/鵜山仁、美術/堀尾幸男  
出演/坂東三津五郎(松尾芭蕉)、朗唱訳/坂東八大、櫻井章喜、林田一高、坂東三久太郎

紀伊国屋サザンシアター、17列11番、6000円、プログラム(the 座)1000円

 

【観劇評】★★★★


014 30日(土)昼 トム・プロジェクト企画[制作 『骨唄』

作/趙博、演出/金守珍  
出演/趙博、福原圭一、三浦伸子、渡会久美子、水嶋カンナ、広島光、染野弘孝、他

吉祥寺シアター、3800円、A列10番

 

【観劇評】★★★★★
エネルギーを感じる芝居、高揚を感じる。 趙博作詩作曲で自ら歌う劇中歌「百年節」で舞台と客席が一体となって盛り上がった。

 

015 31日(金)夜、加藤健一事務所公演 『シュペリオール・ドーナツ』

作/トレーシー・レッツ、訳/阿藤智恵、演出/大杉祐  
出演/加藤健一、有馬自由、土屋良太、奥村洋治、加藤義宗、島崎宣海、鷺坂芳幸、塩田朋子、田根楽子

下北沢・ザ・スズナリ、4500円、B列7番

 

【観劇評】★★★★
いつもの本多劇場でなく、狭い空間の小劇場、ザ・スズナリがよく似合った劇。

 

9月の観劇記録
 
016 4日(火)昼、西瓜糖旗揚げ公演 『いんげん』

作/秋之桜子、演出/松本祐子、美術/石井強司
出演/若松武史、駒塚由衣、奥山美代子、山像かおり、森田順平、他

新宿三丁目・雑遊、3800円、自由席(最前列、舞台正面の中央の席)


11月の観劇記録
 
017 13日(火)昼、こまつ座&ホリプロ公演 『日の浦姫物語』

作/井上ひさし、演出/蜷川幸雄  
出演/大竹しのぶ、藤原竜也、辻萬長、たかお鷹、立石涼子、木場勝己、他

Bunkamuraシアターコクーン、S席10000円、Q列7番

 

<わたしの観劇評>★★★★★


018 17日(土)昼、加藤健一事務所公演 『バカのカベ』

作/フランシス・ヴェベール、訳・演出/鵜山仁  
出演/風間杜夫、加藤健一、新井康弘、清水朋彦、西川浩幸、日下由美、加藤忍、
(声の出演)平田満

下北沢・本多劇場、5000円、K列7番

 

<わたしの観劇評>★★★★★
いつもの本多劇場でなく、狭い空間の小劇場、ザ・スズナリがよく似合った劇。


019 25日(日)昼、新宿梁山泊公演 『紙芝居、アメ横のドロップ売り』

作/唐十郎、演出/金守珍  
出演/渡会久美子、三浦伸子、水嶋カンナ、広島光、金守珍、他

下北沢、ザ・スズナリ、3800円、B列6番

 

【観劇評】
熱演の割には心に伝わってこず、希薄に感じた。


12月の観劇記録
 
020 11日(火)昼、こまつ座&ホリプロ公演 『組曲虐殺』

作/井上ひさし、演出/栗山民也、美術/伊藤雅子、音楽・演奏/小曾根真  
出演/井上芳雄、高畑淳子、山本龍二、神野三鈴、山崎一、石原さとみ

天王洲・銀河劇場、8400円、L席24番

 

<わたしの観劇評>★★★★★


 

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