高木登劇評-アーデンの森散歩道-別館-

 

5月の観劇日記
 
018  9日(水) 文学座創立70周年記念公演 『ぬけがら 』

作/佃典彦、演出/松本祐子、装置/石井強司
出演/若松泰弘、飯沼慧、鵜澤秀行、山本郁子、奥山美代子、他

紀伊国屋サザンシアター


019 19日(土) 日中共同プロジェクト公演 『下周村―花に嵐のたとえもあるさ』

作/平田オリザ・李六乙(リーリユイ)、演出/李六乙・平田オリザ
出演/(中国)果静林他7名、(日本)佐藤誓他4名


新国立劇場・小ホール

上演時間/休憩なしの1時間50分

 
020 20日(日) 地人会実験劇場B 『ビルマの竪琴』

原作/竹山道雄、台本/ふじたあさや、演出/木村光一、音楽/川崎絵都夫、装置/松井るみ
出演/田中壮太郎(水島上等兵)、加藤土代子(物売り婆さん)、他

ベニサンピット

上演時間/休憩なしの1時間45分

【観劇メモ】
観客の9割以上は60歳をゆうに超えたと思われる年配者。上演終了後、約1時間の出演者との交流会の場で、若い人たちにこそこの劇を見てほしいという感想の声。水島上等兵を演じた田中壮太郎の交流会での挨拶の声を借用すれば、心が浄化されていくものがあって、そこが戦争体験のある世代の観客に共鳴を感じさせるのだと思う。


021 25日(金) 木山事務所公演 『道遠からん』

作/岸田国士、演出/K.KIYAMA(木山潔)、美術/石井みつる
出演/水野ゆふ、橋本千佳子、広瀬彩、林次樹、内田龍麿、磯貝誠、他

俳優座劇場

上演時間/休憩なしの1時間50分

【観劇メモ】
パンフレットによれば、「原始の面影をそのまま伝えたようなところと、近代の文明が到りついたところとを、あらゆる点で混ぜ合わせた」「男が主権を握っていた時代から三百年後」という未来という設定。1950年、戦後まだ5年目に書かれ文学座が福田恆存演出で初演。木山事務所では、1990年末木利文演出によって初演されている。そして木山事務所制作者の木山潔にとって、この作品は前回の『赤い鳥』に続く二作目の演出である。

舞台の感想としては、隣の席の男性はあまりおかしいと思えないような場面でもよく笑っていたのだが、正直なところ、自分には何がそんなに面白いのかわからなかった。人それぞれの感じ方・・・があるものだと思った。


別館目次へ