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これまでのShakespeare Sophia Company (SSC)を上智大学公認英語劇団体Sophia Shakespeare Scene(SSS)と改称し、その第1回公演を、ソフィア祭参加作品として『十二夜』を上演。
Shakespeare Sophia Companyは、2022年の『マクベス』公演を最後に、それまでの指導者であり演出者でもあった東郷教授が外れ、それ以後は学生だけのインナーサークル活動として、23年には『ロミオとジュリエット』、24年1月には『十二夜』を公演していたが、指導者や演出者不在でこの先どうなるかと心配していた。
パンフレットも出演者情報も手元にないので確実ではないが、前回の『十二夜』同様、今回も客演の応援に負うところが大きかったように見受けられ、総勢14名の出演者のうち男性は5名で、全員在校生ではなく、他大学の卒業生もしくは社会人(?)のようだった(このことは、この観劇日記を書き終えた後、出演者の和智君からの情報で判明し、「追記」した)。
男性の出演者の役は、船長、フェステ、サー・トービー、フェービアン、神父。
オーシーノー公爵、セバスチャン、アントーニオ、サー・アンドルー、マルヴォーリオ、キューリオなどの男役は女性が演じた。
工夫としてよかったと思ったのは、フェステ役が冒頭に登場してこの劇の概要を日本語で語り、オリヴィアの兄の葬式が始まろうとしていると言ったところで舞台開始のキューとなって劇が始まっていく趣向であった。
冒頭の場面の、オーシーノー公爵が聴く楽師の音楽は、ヴァイオリン奏者による生演奏。
続く場面はヴァイオラが船長とともにイリリアの海岸にたどり着き、髪を切ってオーシーノー公爵に使える決心をする。
その次は順番がちょっと異なって、ヴァイオラの兄セバスチャンとアントニーが登場する。それ以外はおおむね原作通りの順番で展開していく。
女性陣の英語の発音は素晴らしくて問題ないと思うが、舞台劇としての台詞としては、一部観客に十分に届く発声ではないのが惜しかった。
そういうこともあって、舞台の始まりの方は、場の空気がひんやりした感じであった。
そんな雰囲気を吹き飛ばしたのが、フェステを演じた和智太誠君で、この舞台全体を支配して感じさせた。
彼の道化としての演技も素晴らしく、発声もよく通り、歌も非常によかった。彼は、麗澤大学の在学中、英語劇の出演を続け、卒業後も会社勤めをしながらいろいろな演劇団体の舞台に客演として出演しており、前回のSSC公演『十二夜』にも出演している。
女性陣の中では、SSCの主宰者(終演時の挨拶で名前を言われたが自分には聞き取れなかったが、朝日優さん)が演じるオリヴィアの演技がよかった。
全員の衣装などもそれなりに工夫していてよかったと思う(後から分かったことだが、衣装協力は、麗澤大学・英語劇グループ)。
この公演は、この初回のみが講堂の使用で、あとは1号館の教室公演となるということであった。
講堂は半円形の張り出し舞台となっていて、客席は扇形にすり鉢状にせり上がっている。ただ、照明が一律なので、出演者が観客席に近づいて前に出てくると顔全体が陰になって表情が全く見えなかったのが難点であった。
自分は舞台上の出演者と目線がちょうど合う位置の、前から3列目の中央部の席を選らんで観劇。
上演時間は、休憩なしの1時間40分。
【追記】
この観劇日記を書き終えた後、出演者の和智太誠君から、キャストの連絡をもらったので自分の記録用として下記に示す。
オーシーノー公爵 Bagamaschi Elenore (エレノア)、イタリア人
セバスチャン 泉谷果穂(上智大卒業生)
船長 Bank タイの社会人
キューリオ 安井一葉(上智大、1年生)
サー・トービー Pierce Purcell (ピアス) オーストラリアからの上智大留学生
サー・アンドルー 戸兵碧子(上智大、3年生)
マルヴォーリオ 杉本和奏(上智大、2年生)
フェービアン Atom タイの社会人
オリヴィア 朝日優 (上智大、4年生)
ヴァイオラ 稲田莉花(上智大、1年生)
マライア 田中あんじ(上智大、1年生)
アントーニオ 峯芽生奈 (上智大卒業生)神父 Quros Igunacio (イグナチオ) 上智大教授
フェステ 和智太誠(社会人)
制作・脚本・演出/朝日優、衣装協力/麗澤大学・英語劇グループ
11月2日(日)10時30分開演、上智大学10号館講堂、入場無料(カンパ制)、全席自由
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