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この劇の主役である灰原柊司を演じる「兎団」主宰者で演出者の斉藤可南子は、<わたしが撃ち抜かれた80年代演劇を立ち昇らせます>という意気込みで、そのキャッチコピーは、「シェイクスピアを原典にオリジナル設定で描き出す21世紀の『ハムレット』!」。
物語は、富士裾野に全国のいじめによる被害者を集めた学校を作ったところから始まる。
その中の生徒の一人が暴走族の初代総長となる灰原詩音で、この物語の主人公灰原柊司の父。その詩音が謎の死を遂げる。
時は過ぎて、いじめ対策の学校が今や偏差値至上主義の学校へと大変貌し、柊司は父の死の原因を探るためその学校に入学し、今は父が残した暴走族の九代目総長に選ばれようとしている。
柊司は暴走族の一員である一方、学校では1番の成績で、2番目が教頭の息子一宮慎哉。
柊司は、富士裾野スクールの教頭の娘さくらと恋仲であるが、父親の死に関係する犯人との対峙を決意したとき、さくらと別れる決心をし、彼女に「大学に行け!」と言って突き放す。
さくらはそれがもとで気がふれたようになる。
教頭は意見の相違から校長から殺され、新校舎建築現場に葬り去られる。
校長は、教頭の息子でさくらの兄で、柊司の親友でもあった一宮慎哉に、柊司が父親の死体のある新校舎建築現場から出てくるのを見かけたと言って、柊司を犯人のようににおわせる。
柊司の母親はその昔、校長から言い寄られ、夫の詩音の死後引きこもりとなって身を隠し、柊司は母親の姿を見たことがないのだが、彼女は、富士裾野スクールの保健室の教師となって、引きこもりの生徒の保護をしていたのだった。
柊司は、妹の錯乱と父親の殺人犯として信じる慎哉と対決するだけでなく、九代目総長を選ぶ勝負でのライバルとの対決、そして父の謎の死と関係のある校長と対決をする。
タイトルに示されるように、夢破れたハムレットとして闘う柊司の物語となっている。
出演者は、総勢16名。上演時間は、休憩なしで、1時間55分。
作/くるみざわしん、演出/東憲司
10月12日(日)14時開演、中野・劇場MOMO、チケット:(シニア)4000円、全席自由
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