2022年観劇日記
 
   G. Garage///番外公演 即興狂読シェイクスピア vol. 4
   河内大和 x スガダイロー x 津村禮次郎 『押入れハムレット』
  No. 2022-009

 一夜限りの公演。
 主催の河内大和がマエセツで、稽古なしのぶっつけ本番であることを述べ、自分で手書きした登場人物の相関図と、登場する人物総てを一人で演じる旨を説明。
 開演後、場内の照明がすべて落とされた真っ暗闇の中で、ハムレットの「世に在る、世に在らぬ、それが疑問ぢゃ」の独白が語られ、それが終わって場内に明かりが点くと、河内大和の狂演読がスガダイロ―のピアノ演奏と激しく交錯しながら進展していく。
それは、チラシのキャッチコピーにあるように、まさに「即興狂読」以外の何ものでもなく、それがスガダイロ―のピアノ演奏と相まっての狂演(=「狂宴」)となっていく。
 能楽師津村禮次郎がハムレットの亡霊、プライヤム最後のくだりを語る旅役者の座長と劇中劇のルーシェーナスなどを演じるが、これらの場面は逍遥訳での能演技がピッタリはまって一番の見どころであった。この劇中劇の場面では河内大和が劇中王と王妃を指人形を使って演じ興じたのも一興であった。
 河内大和、スガダイロー、津村禮次郎の3人の楽士の共演、狂演、狂宴、競演を楽しむ舞台であった。
 上演時間は、熱演で90分の予定を超えて100分以上となった。

 

翻訳/坪内逍遥、演出/河内大和、音楽・演奏/スガダイロー(ピアノ)
5月18日(水)19時開演、彩の国さいたま芸術劇場・小ホール、
チケット:4000円、座席:K列34番


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