高木登 観劇日記2018年 トップページへ
 
   若い演奏家のためのプロジェクト 演劇Xオペラ 『マクベス』       No. 2019-052
 

 演劇とオペラで1つの舞台で「2つのマクベス」ということで、どんなものになるのかが興味深く、楽しみであった。
 が、百聞は一見に如かず。
 演劇人のマクベス、マクベス夫人、バンコー、マクダフ、マルコムとダンカン王、魔女役3人、伝令・刺客・侍女役、オペラ組からはマクベス、マクベス夫人、バンコー、マクダフ、マルコム、それに魔女6人が出演。
 魔女役を除いて、舞台ではこの演劇人組とオペラ組の2組によって同じ場面が演劇とオペラによって演じられる。
 オペラはイタリア語なので言葉の意味は分からないが、その前に日本語で演じられているので意味・内容は『マクベス』を知らない人でも理解できるようになっている。
 全く同じ場面が演劇とオペラで繰り返されるので、内容を知っている者には冗漫で退屈に感じることが多かった。
 原作にはないアドリブの台詞・所作などを加えて観客の気を引こうとする場面も多々あり、親しみを持たせようとする点は買っても、その背景を知らない者には残念ながら面白みは感じられなかった。
 ヴェルディのオペラでは門番の登場はなく、夢遊病状態のマクベス夫人が台詞の途中でその事に触れて、門番の台詞を取り込むなど遊びの場面など取り入れていたが、これも良し悪しで、面白いと言えば面白いが、この場面としての雰囲気がパロディ化されてしまっていた。
 魔女が演劇組3人とオペラ組6人、全部で9人の登場は、魔女の呪いの数、「3x3=9」で着想的にも面白く、スケールの大きさを感じさせてよかった。
 途中15分間の休憩を入れて2時間30分なので、同じ場面を演劇とオペラで繰り返すことで、必然的にカットも多くなっていた。
 ほとんどの場面が演劇とオペラの両方で演じられたが、有名なTomorrow speechの場面だけは、オペラでの台詞・演技がなかった。
 見終わった感想としては、演劇を入れずにむしろオペラ単独の方がよかったという気がした。
 出演は、演劇組のマクベスに井上倫宏、マクベス夫人に磯辺万沙子、バンコーに川辺邦弘、マクダフに西村知泰、マルコムに笹井達規、それに魔女3人と伝令その他役が1名、オペラ組はAキャストでマクベスが今井俊輔、マクベ夫人が西本真子、マクダフが前川健生、バンコーの杉尾真吾とマルコムの荒木俊雅と魔女6人はA、B共通出演。

 

作曲/ジュゼッペ・ヴェルディ、上演台本/斉藤祐一、演出/高橋正德、指揮/米津俊広
11月21日(木)13時開演、渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール
チケット:4900円、座席:5列12番


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