高木登 観劇日記2018年 トップページへ
 
   Sophia Shakespeare Company 第14回公演 Othello      No. 2019-031
 

 Sophia Shakespeare Company (SSC)のシェイクスピア英語劇を観るのは昨年来今回が3度目になる。
<演出家からの挨拶>によれば、今回はタイトルロールを演じる団員が4月初めに突如退団し、一時は公演中止も考えたという。
 退団した団員の代わりにオセローを演じたのは、昨年『ハムレット』でヴォルティマンド、『十二夜』でオーシーノ公爵を演じた2年生の蜷川怜珠。
出演者12名の内彼女を含め8名が女子学生で、男性の出演者は主宰の東郷公徳教授を除いて3名。
 開幕直後の場面のイアーゴーとロダリーゴの会話の大半がカットされたのをはじめ、全体を通してかなり台詞のカットがあり、台詞劇として少々物足りない面もあったが、2時間の上演時間では全体の3分の1のカットは止むを得ないだろう。
 オセローを急遽演じることになった蜷川怜珠は堂々と大役を果たし、その果敢な姿勢を評価していいと思う。
 『オセロー』の影の主役はイアーゴーであるが、それを演じたのは昨年夏、ハムレットを演じた井上寛斗で、彼は外部の英語劇にも積極的に参加しているだけに、演技、台詞力とも安心して観ていられる一人であった。
 ヒロインのデズデモーナ役には大野杏奈で、彼女は今回初めて観るのだが台詞もクリアで聴き取りやすい発声であった。
 その他の女子学生のほとんどが昨年の『ハムレット』、『十二夜』の両方に出演しており、見覚えのある顔に懐かしさを感じたが、なかでも昨年ギルデンスターンやマライヤを演じた杉内穂香には見覚えがあり、彼女はエミリア役以外にもスタッフとして衣装・メイク、それに美術まで担当している。
 全体の中でのハイライトは、イアーゴーを演じる井上寛斗を中心にした歌と踊りの酒盛りの場面で、キャシオ―の愛人ビアンカまで加わって、盛り上がりのある場面で楽しませてくれた。
 毎回、主宰者の東郷教授も一役演じているが、今回はヴェニスの大公役で出演されていた。
 上演時間は、休憩なしで2時間。

 

演出/東郷公徳
7月6日(土)13時開演、阿佐ヶ谷アルシェ、料金:2000円、全席自由席

 

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