高木登 観劇日記2018年 トップページへ
 
   SAYNK第6回公演日英語朗読劇 『ハムレット』            No. 2018-020
 

10年でシェイクスピア全作品を上演するという壮大な企画で始められた「シェイクスピアを愛する愉快な仲間たちの会」(SAYNK)の出演者は当初「永年会員」としてスタートしたが、諸般の事情で継続して参加することが困難ということで今回からは毎回の活動ごとに解散して毎回初心に戻って新たに取り組むことになり、参加者もSAYNKのメンバーだけでなくオープンにして広く一般から募ることになった。
今回新たに加わったのは、上智大学で原語でシェイクスピア劇に取り組んでいる颯爽とした長身の井上寛斗君。
今回上演の『ハムレット』はシェイクスピアの作品の中でも最も長いということもあり、上演時間もいつもより延長して2時間という長丁場であった。
出演者は7名で、これまでと同じように一人数役を兼ねるだけでなく、一人の人物を場面によって別の出演者が演じる。ハムレットは前半を若い井上君がフレッシュな感覚で演じ、後半部をこれまでにも何度なくハムレットを演じてきた瀬沼達也が演じることで、その色合いの変化を楽しむことが出来た。
クローディアスには増留俊樹が重厚に演じ、ガートルード役は何時も美しい英語の台詞力で魅了してくれる関谷啓子、ポローニアスにはコミカルな演技を得意とする阪口美由紀、オフィーリア役は想定内で遠藤玲奈が演じ、ローゼンクランツ役その他を阪口愛衣、前半部のハムレットを演じた井上寛斗はレアティーズも演じた。
後半部のハムレットを演じた瀬沼達也は、途中、シェイクスピアとしてナレーションに闖入してコミック・リリーフで観客の気分をほぐした。
日英語朗読となっているが、今回は朗読劇には日本語の台詞を入れず、その代わり各場面の説明と経緯を佐々木隆行が場面のつなぎにナレーション役を務めたことで全体の流れがよく理解させただけでなく、彼のソフトな声でのナレーションが内容を理解させるのにも非常に効果的で、その声にも魅了させられて聴き入らせてもらった。
これもいつもの感想であるが、朗読劇というより所作も交えた演読劇で、聞いて楽しい、観て楽しい朗読劇であった。


講師・演出/瀬沼達也
「シェイクスピアを愛する愉快な仲間たちの会(SAYNK)」「横浜山手読書会」共催
「横浜シェイクスピア・グループ(YSG)) 協力
4月22日(日)13時40分開演、神奈川近代文学館ホールにて

 

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