高木登 観劇日記2017年 トップページへ
 
   明治大学文学部主催 『唐十郎Xシェイクスピア』     No. 2017-006
 

― <朗読会>改訂増補版 シェイクスピア幻想 ―

昨年(2016年)10月、明治大学和泉キャンパス図書館内ギャラリーで企画・開催された朗読会の演目を一つ増やし、ギター演奏を加えての再演。
演目は朗読順に、
1.「焼き鳥屋のハムレット」(再)
2.「リチャード三世」(新)
3.「口説き屋ロミオ」(再)
4.「蜂のタイテーニア」(再)
今回増えた演目は2番目に朗読された「リチャード三世」。
この演目は2015年11月の唐組公演『鯨(ゲイ)リチャード』で観ていたので、比較の意味でも興味深かった。
一口で感想を言えば、唐組の舞台よりこの朗読の方が分かりやすく、面白かった。
鯨カツ屋の主人リチャードを演じた西村俊彦が、せむしでびっこの姿態扮装をして朗読し、鯨カツを揚げるのに用いる長箸を器用に使って台本の頁をめくるところなど、聞くだけでなく観る楽しみを十分に味あわせてくれた。
山田志穂は、登場人物によって帽子やサングラスなど小道具を用いてその人物の雰囲気を出し、所作も加えての迫真的朗読に聞き入らせ、楽しませてくれる。
今回は、明治大学在学生の道塚ななが朗読に合わせてギターを演奏しており、朗読そのものの素晴らしさは言うまでもなく、さらに盛り上がった効果を楽しむことが出来た。
朗読は、前回の出演者と同じく、西村俊彦、丸山港都、山田志穂(劇団民藝)の3人。
3人3様の素晴らしい味を楽しんで聞くことが出来た。
朗読時間は、全部で75分。

この日の観客の7、8割は高齢者で、学生らしき人の姿は殆ど見受けられなかった。
主催者の井上准教授自らが一人で開場案内をしていて、学生側の手伝いも見受けられず、このような素晴らしい企画としては少し寂しさを感じるものがあったが、これからも是非続けていってほしいと願ってやまない。


企画・構成/明治大学文学部准教授・井上優、テキスト/唐十郎『シェイクスピア幻想』、
MSPインディーズ・シェイクスピアキャラバン制作
1月29日(日)13時開演、明治大学駿河台キャンパス・グローバルホールにて

 

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