高木登 観劇日記2016年 トップページへ
 
   明治大学・朗読会 <唐十郎Xシェイクスピア>     No. 2016-041
 

「演劇人、詩人、文学者としての唐十郎」展の関連企画の一環として、「唐十郎Xシェイクスピア」―『シェイクスピア幻想』より3つの作品の朗読会が、明治大学和泉キャンパス和泉図書館のホールで催された。
プログラムの内容は、『焼き鳥屋のハムレット』、『口説き屋ロミオ』、『蜂のタイティーニア』の3作品。
唐十郎のシェイクスピア関連の作品といえば、『鯨(げい)リチャード』を昨年観ただけの知識しかなかったが、内容的には今回のこの3つの作品の朗読劇の方が圧倒的に面白く、興味あるものであった。
唐十郎の『劇的痙攣』(岩波書店)所収の「シェイクスピア幻想」をテキストにしての朗読は、内容の面白さもさることながら、西村俊彦、丸山港都、山田志穂(劇団民藝)の3人の出演者の朗読が非常に素晴らしく、まるで劇を観ているように引き込まれていった。
単なる朗読ではなく、いわゆるドラマティック・リーディング(劇読)で、3人のアンサンブルもよく、パーフォーマンスが加わっての朗読には迫力があった。それに、音響効果としての小道具の用い方がイメージを増幅させてくれた。
3つの作品のキャッチコピーとして当日配布されたチラシのプログラムをそのまま引用させてもらうと、
1.『焼き鳥屋のハムレット』(『ハムレット』より)
「屋台を頼む。青春のあの屋台を」そう言い遺した叔父さんの遺志を継ぎ、焼き鳥屋となったデザイナー志望の青年波間浮之助。雨の夜、その彼の元に一人の女が転がり込み、やがて彼女はオフィーリアと呼ばれ始め―
2.『口説き屋ロミオ』(『ロミオとジュリエット』より)
花の都の舌(べろ)丸通りにロミオと呼ばれたモデル斡旋業者がいた。軟派の腕では誰にも負けない舌を剣にかえたような若者だった―
3.『蜂のタイティーニア』(『夏の夜の夢』より)

少年シンジロウが夜店でもらった液体は、恋の三色菫を絞ったという不思議な液体だった。それを一滴ミツバチにたらしてみるとその蜂は―
この企画は、実質的には明治大学シェイクスピアプロジェクト(MSP)キャラバン隊のシリーズの一環でもあり、企画・構成は明治大学文学部准教授井上優氏による。
キャラバン隊のシリーズでは、今年、島村抱月の『クレオパトラ』が上演され、シェイクスピア関連の隠れた作品の掘り起こしで、本体のMSPのシェイクスピア作品上演とはまた一味違った奥深い作品を提供してくれ、その企画の楽しさをも楽しませてもらっている。
10月14日(金)には、明治大学リバティーアカデミーのオープン講座として明治大学駿河台キャンパスで「シェイクスピアと音楽 Part2」が催される。これもまた楽しみにしている。

 

(企画・構成/井上優、10月7日(金)19時開演、明治大学和泉キャンパス
和泉図書館ホールにて鑑賞)

 

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