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  能・『ロミオとジュリエット』 初演                 No. 2015-046

 僧ロレンスによる狂言口開(くちあけ)により、物語の概要が語られ、ツレ(ジュリエット)が乳母を伴って登場し、脇座に着座、シテ(ロミオ)が登場して、
 「恋は優しきものなるか。
 恋は冷酷残忍非情。
 胸刺す茨のつらさかな。
 昨夜の夢の不思議なる。
 いかなる星の巡りやらん」
 と語って地唄
 「行方(ゆくえ)司る御力(おんちから)。行方司る御力。導き給へわが行く手」
 が続き、次にジュリエットの台詞、
 「目に見えぬ美しさ隠す心こそ美しき人の誇りなれ」
 と引き継がれていく。
 最後は、地唄
 「この世の悲しき物語。ジュリエットと彼女のロミオの物語」
 で結ばれる。
 この最後の台詞で、この物語がジュリエットの物語であることを教えてくれる。
 「能・『ロミオとジュリエット』初演」は、この日、この1回だけの公演。
 上演時間は、90分
 【出演者】
 シテ(ロメオ):野村四郎
 ツレ(ジュリエット):鵜沢 久(ひさ)
 ツレ(乳母):鵜沢 光
 ツレ(パリス伯):野村昌司
 ツレ(ヴェローナ大公):藤波重彦
 アイ(間)狂言(ロレンス法師):三宅右近

 

原作/上田(宗片)邦義、振付・作舞/野村四郎、演出/笠井賢
12月8日(火)18時半開演、東京・国立能楽堂、チケット:(A席)8000円、座席:脇正面4列9番)

【注記】 文中の台詞は、当日配布された上演台本より引用。

 

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