ギター生演奏、ダンス、バレー、シンガーソング、エアリエルシルクプレイ、フラメンコ、ドラマティック・リーディング、と盛沢山の内容が立体的に構成された『ロミオとジュリエット』の超エンターテインメントを心ゆくまで楽しんだ。
『ロミオとジュリエット』の舞台演技では、序詞役の詩人と大公役(スペシャルゲストの倉石功)、乳母役(泉水いづみ)、ロレンス神父役(新本一真)はドラマティック・リーディング(劇読)で、アクターのロミオ(宮元英光)とジュリエット(瀧愛美)はダンサーも兼ね、アクター専任はマーキューシオ(浅野勝盛)、ベンヴォーリオ(櫻井達理)、ティボルト(沢田寛弥)役の3人。
他に出演は、5人のダンサー、エアリエルシルクプレイヤーのAnz(あんず)、フラメンコの永田健、ギター演奏の井上達也、そしてシンガーのともろー。
ロミオとジュリエットを演じる宮元英光と瀧愛美にさわやかな清純さを感じた。
意外性で面白かったのは、3人のドラマティック・リーディング。
ドラマティック・リーディングを組み合わせることで、ドラマがより立体的構造に感じられるという効果があったように思う。
永田健のフラメンコも劇的な展開の緊張感を煽り立てて息を呑ませるものがあり、素晴らしいと感心した。
シンガーソングライターのともろーは、エンタテイナーとして歌で観客の雰囲気を盛り上げるのに一役も二役も買って楽しませてくれた。
シェイクスピアを、歌と踊りと演技のエンターテインメントに仕上げて楽しませてくれたこの舞台は、たとえて言えば、フランコ・ゼッフィレッリの映画『ロミオとジュリエット』と、ミュージカル映画『ウエストサイド・ストーリー』を合わせた小型版のようなものであったという言葉をもって賛辞としたい。
上演時間は、途中10分間の休憩をはさんで2時間。
プロデューサー・総合演出/パク・バンイル、7月28日(火)14時、座・高円寺2、全席自由
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