高木登 観劇日記2014年 トップページへ
 
  KAWAI PROJECT公演 『から騒ぎ』      No. 2014-16
 

ついに演出までもやるのかということで、河合祥一郎演出ということに一番の興味であった。
場所は東京大学駒場キャンパス内、21 Komcee MMホール。
観客席が箱型に舞台を四方から囲み、俳優は出場が終わると所定の客席に座って控え、次の出場に備える。
このような舞台形式は特に珍しいものでもないので特別に新鮮味を感じるということもないが、この劇の雰囲気には相応しいものであったというか、ふさわしい演出であったと思う。
しかしながら、全体の感想としては、劇の展開は自分にとって刺激が薄く、感激度はそれほど高くなかった。
人それぞれに感じ方が異なるのは、この舞台を観ていてもはっきりその差が表れていた。
たとえば、白川哲が演じるドグベリーのマラプロピズム(滑稽に誤用されたことば)はわざとらしくて面白く感じなかったが、対面に座っていた同年輩の男性はよく笑っていた。
年代が異なれば世代間での違いということも考えられるが、同年輩の者が一方は面白そうに笑っているにもかかわらず自分は面白いと感じないとなれば、人それぞれとするしかない。
だからこの舞台に関する自分の評価や感想など、まったく個人的なレベルのものでしかない。
キャスティング・リストを見ると、ベネディックを演じる高橋洋介(よろづや商店所属)、ビアトリスを演じる荘田由紀(文学座)、レオナートを演じる小田豊(早稲田劇場出身で岡村本舗所属)、それにレオナートの弟アントーニオを演じる西山竜一(タテヨコ企画所属)の4人を除き、残りの15人が、なんと全員新国立劇場演劇研究所の出身であった。
全体的にはインパクトを感じなかったものの、レオナートを演じた小田豊には存在感を感じ、ベネディクト演じた高橋洋介の演技も印象に残るものではあった。
新国立劇場演劇研修所修了者の中では、ドン・ペドロを演じたチョウ・ヨンホが役柄としての存在感があって印象的であった。
新訳の主眼である押韻の工夫は、耳が悪いと言われればそれまでだが、特に印象に残るというものでもなかった。上得時間は、休憩なしで2時間20分。

 

(翻訳・脚本・演出/河合祥一郎、4月27日(日)夜の部にて観劇。チケット:1500円)

 

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