文学座シェイクスピア・リーディング、春のシリーズ締めくくりは、『ロミオとジュリエット』の翻案劇『夏祭恋逝殺(なつまつりこいのいくたて)』。
出演者は朗読に12名、それに浄瑠璃2名と三味線1名を加えての豪華な朗読劇であった。
舞台を浅草の三社祭の前夜祭から宮入までの4日間の出来事に変えての翻案劇。
プロローグ部分と、手と手を合わせる巡礼の台詞部分を含めてのロミオとジュリエットの出会いの場全体、そして二人が自殺を遂げた後の状況とエピローグまでの部分が浄瑠璃によって語られる。
台本を持っての朗読劇であったが本舞台に近いものを感じさせ、十二分に楽しんで聴くことができた。
大公役に相当する新門辰五郎と神父ロレンス役に当たる僧の蓮俊を三木敏彦、美紗緒(ロミオ)に西岡野人、静香(ジュリエット)に上田桃子、およね(キャピュレット夫人)に山本郁子、乳母お国に北村由香などが朗読。
浄瑠璃は、常磐津秀三太夫と常磐津初應太夫、三味線は常磐津菊与志郎。
上演時間は、1時間50分。
(翻訳/坪内逍遥、翻案・演出/黒木仁、5月26日(月)昼、文学座第一稽古場、料金:1000円)
【観劇記録】
5月24日(土)昼、文学座第一稽古場にて
文学座シェイクスピア・リーディング、春のシリーズ第4回 『ヴェニスの商人』
翻訳/坪内逍遥、演出/西川信廣、音楽/上田亨
出演/加藤武(シャイロック)ほか7名
朗読時間、1時間20分
<観劇メモ>
この日は偶然にも加藤武の85歳の誕生日であった。(開場前、表で待っている時、前の椅子に座っていた初老の紳士と加藤武が雑談をしているところを偶然に聴くことができて知った)
この朗読劇は加藤武のシャイロックを見たい一心でタイトなスケジュールをぬっての観劇であったが、期待通りその朗読を十分に満喫させてもらった。
終演後、16時半開演のITCL公演Romeo and Julietを観るために早稲田の学習院女子大学に急いで直行。
文学座シェイクスピア・リーディング、春のシリーズでは翻訳者もさまざまで、朗読のスタイルもそれぞれ異なり、試行錯誤的なものもあったが、そのバラエティを楽しむことができた。
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