高木登 観劇日記2013年 トップページへ
 
  〜2013 海外版〜 『楽塾歌舞伎☆十二夜』       No. 2013-030
 

『楽塾歌舞伎☆十二夜』は昨年5月に楽塾創立15周年記念として<座・高円寺2>で上演されたが、今回は、8月にカナダのビクトリア国際演劇祭で上演するために、前回の1時間50分の作品を1時間15分に短縮し、出演者の数も総勢20名から13名に絞られ、しかも役どころも大幅に入れ替わっている。

楽塾の座員は平均年齢61歳の女性だけからなるユニットで、この『十二夜』には流山児事務所のベテラン男優2名が共演(競演)している。

歌舞伎スタイルに加えて、ミュージカル風にアレンジされ、中高年の我々には懐かしい曲がアレンジされていて歌のメロディーを聞いているだけでも楽しい。

昨年観た時には、ただもう面白くてそれだけで満足して結局何も記録を残してなかったのが悔やまれる。

前回の公演を、チラシを参考資料にして記憶をたどってみると、今回より上演時間が長いだけでなく、登場人物も多彩で多かった分、内容にも膨らみがあったような気がする。それでいてジェットコースターにでも乗っているようなスピード感もあった。

登場人物では、雪姫(ヴァイオラ)が川本かず子から関口有子(前回は海賊・蜂須賀鮫蔵=セヴァスチャンの友人アントーニオを演じた)、三条家の時姫(オリヴィア)を桐原三枝から川本かず子に、前回時姫を演じた桐原は、今回は時姫の腰元魔矢(マライア)を演じるといった具合に大幅に入れ替わっている。

前回、原作にはない人物に、三条家の召使い・三代目伊右衛門とその妻お岩(幽霊)や、都の貴族・綾小路飛麻呂(サー・アンドルー・エーギュチーク)に小姓・夢の介などを登場させていた分、話に膨らみがあった。

その綾小路飛麻呂を演じた楽塾の創立メンバーの一人、小森昌子が前回印象的だっただけに今回出演がないのは残念な気がした。

今回は余分なストーリーはないが、それでいて原作のストーリーの肝心な部分は省くことなく、コンパクトにまとめられている。

今回も楽しく観ることができた楽塾歌舞伎『十二夜』の若々しい演技に、海外の観客がどのような反応を示すか是非立ち会ってみたいと思わせる上演であった。

 

(台本・演出/流山児祥、7月19日(金)昼、Space早稲田にて観劇。チケット:3200円。自由席)

 

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