高木登 観劇日記2013年 トップページへ
 
  シェイクスピア・シアター公演 『お気に召すまま』      No. 2013-025
 

最近のシェイクスピア・シアター公演を観ていると文学座の俳優が客演してヒーローやヒロインとなっているが、今回も文学座から、ロザリンドを吉野美紗、オーランドーを駒井健介が客演している。

所属俳優もかつてのようなにぎやかさがなくなり、中心メンバーも欠けた今、一定の質を保つためであるのか、プロデュース公演としてオーディションで幅広く人材を募る方式に方向転換したのかは定かではないが、若い劇団員の成長をみるのを楽しみにしてきたことからすると少し残念でもあり、淋しい気もする。

かつては客演にしてもシェイクスピア・シアターのOBが中心であったが、最近はそれも少ないのも淋しい気がするが、今回はフレデリック公爵とジェークイズの二役としてOBの宇野幸二郎が参加していたのは嬉しかった。

座員では、シーリア役の住川佳寿子、タッチストーンの高山健太が好演。

公爵と羊飼いのコリンを演じた滝本忠生は、低い声ながらも落ち着いた通る声での静かな演技も心にしみた。

レスラーのチャールズやオードリーに恋する田舎の若者ウィリアムを演じた住田敏樹も健闘していて、頑張っているのをみるとそれだけでも嬉しい。

気になったのは、いつもは道化役で楽しませてくれる木村美保が今回出演していなかったことである。

今回一番印象に残ったのは、アミアンズやハイメンを演じて劇中歌を歌う中川奈美。

特に最後にハイメンとなって、詩―リアの住川佳寿子、ロザリンドの吉野美紗と純白の婚礼衣装をまとって、三人の中心にいて朗々と歌い上げる婚礼の歌は圧巻で、今回のヒロインは彼女であると感じたほどである。

全体的に爽やかな感じのする舞台であった。

上演時間は、途中10分の休憩を挟んで2時間35分。

 

(訳/小田島雄志、演出/出口典雄、初日の6月19日(水)夜、俳優座劇場にて観劇。
チケット:先行優先価格で、4000円、座席:3列11番)

 

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