東京は、明け方からの雨が朝には雪に変わり、見る見るうちに積って一面が銀世界に。
いつも観劇には時間の余裕を持って出かけるが、この突然の大雪でダイヤは乱れ、電車も途中安全確認で何度も停車し、劇場に着いたのは開演時間ジャストであったが、各沿線とも遅延のため10分だけ開演時間を遅らせて始まった。
この劇は、2009年3月に俳優座劇場で一度観劇しているが、今回はその時のキャストとまったく異なり、自分の知っている俳優はいなかったが、それぞれ個性的な俳優で見ごたえあるものであった。
シェイクスピアの『マクベス』や日本の歴史を知らなくても筋書き自体は非常に分かりやすいので劇そのものを楽しむことが出来るが、実際の時代背景や『マクベス』を知っているとさらに面白い作品である。
翻案劇としては、映画と舞台の違いはあるが、黒澤明の『蜘蛛の巣城』にも劣らない面白さがある。
狭い舞台での殺陣の演技が巧みで、槍さばきなどもアクロバット的なうまさに驚いた。
筋書き自体は前回詳細に記録しているので省くが、今回特に印象として感じられたことは、三人の魔女が「運命の女神三姉妹」的に感じられたことだった。
今回の主なキャストは、松永久秀=マクベス(阿部裕)、艶の方=マクベス夫人(夕貴まお)、三好長慶=ダンカン(杉村京介)、三好之康=マルカム(佐藤翔)、細川玄信=バンクォー(矢嶋俊作)など。
織田信長演じる鈴木秀和、羽柴秀吉の小松雅樹のキャラも舞台を華やかに感じさせ、松永久秀の部下鳥居兵 庫を演じる次賀慎一郎の精悍な動きも印象に残った。
悪天候をはね返すような燃える演技で、客席は熱い興奮につつまれていた。
新春最初の観劇としては最高に楽しめた。
作・演出/和希太平
1月14日(月)14時開演、池袋・シアターグリーン、チケット:5800円、座席:C列9番
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