高木登 観劇日記2012年 トップページへ
 
  日英シェイクスピア・フェスティバル秋季文化祭      No. 2012-024
 

荒井良雄先生主宰・企画による秋季日英シェイクスピア・フェスティバルの2日目のプログラム、第一部『マクベス』、第二部『シャイロック』の両方を観劇。

第一部の前半はS・サトウさんによるReading Shakespeare:Macbethの原語朗読。

物語の展開を日本語で解説を加えながら、台詞を原語で朗読。

目を覚まさせる思いで聞き入ったのが、マクベス夫人が夢遊病状態で二人が犯した罪を独白する場面の声色は、呂律がよく回らず、空を見つめるような瞳で語るその様子は迫真の演技で、これまでに見たことがないような凄みを感じた。

第一部の後半部は、川崎淳之助訳による蔀英治、森秋子、北村青子、武松洋子による「マクベスと三人の魔女」の朗読。

川崎淳之助訳は、日本語が本来持っている四拍子のリズムという理論に基づいた翻訳で、原作(英語)と翻訳(日本語)の上演時間が同じになるという。

冒頭の魔女の新訳での台詞がとても新鮮に耳に響いて聞こえた。

ちなみに、冒頭部魔女の最後の台詞はこうなっている。

「いいものァわるい、わるいものァいい。霧とよごれた空気ン中を飛ばう」

蔀英治がマクベスの台詞を朗読し、三人の女性が魔女とマクベス夫人を、三つのパートに分けてそれぞれ朗読した。手紙を読む部分や前半部を武松洋子、中ほどを森秋子、マクベス夫人が無祐状態で語る台詞の部分を北村青子が分担し、この趣向自体がユニークな企画で、それぞれがその部分に見合った声での朗読を楽しませてくれた。

第一部では、私の隣の席に翻訳者である川崎淳之助さん(元立教大学教授)が座って、観客もその関係で来られた人が多かった。

第二部は、今年の10月、阿佐谷の名曲喫茶ヴィオロンで催された「オーソン・ウェルズと円道一弥のシャイロック」の仕上げ番ともいうべき再演で、私にとっては二度楽しむことができた。

最初に瀬沼達也の原語朗読でシャイロックの部分をすべてノーカットで朗読、法廷の場では荒井先生が前回同様公爵とその他の人物の朗読をした。

後半部も前回同様に日本語で同じ部分を円道一弥がシャイロック、ポーシャを北村青子、公爵その他を荒井先生が朗読し、二度の楽しみを味わった。

 

会場で川崎淳之助翻訳の『エリザベス朝悲劇・四拍子による新訳三篇―タムバレイン大王、マクベス、白い悪魔』(2010年英光社刊)を購入。

 

(11月11日(日)、自由が丘STAGE悠にて観劇。チケットは二部通しで3000円)

 

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