実直な演出で、可もなく不可もなく、安心して見ることができる反面、刺激という点において物足りなさを感じたが、老齢で、渋柿のような苦み走った顔をした広尾博のマルヴォーリオが変な意味で印象深かった。
舞台を華やかに感じさせたのは、ヴァイオラを演じた江原朱美とオリヴィアを演じた大山秋。特にオリヴィアは、演出面で、前半の舞台では裳に服していることを示して黒の衣装でああったのが、後半では恋する乙女としての赤い衣装に変わり、舞台全体までが明るく感じた。
道化のフェステを広戸聡、サー・トービーを葛西和雄、マライアを高安美子、オーシーノ公爵を北直樹、サー・アンドルーを奥原善之が演じた。
訳/小田島雄志、演出/松波喬介、美術/石井強志
9月17日(月)14時開演、紀伊國屋サザンシアター、
チケット:5000円、座席:6列11番、プログラム:500円
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