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   タイプス・プロデュース公演 『間違いの喜劇』  2011-018
 

連日の公演で疲れ気味と言いながらも元気でパワフルな舞台を見せてくれた。

A ,B班2グループといっても大半のキャストが両方に出演するため、4日間の公演は疲れるようだ。

終演後、出演者と観客の交流談話の中で、アンティフォラス弟を演じた青山治が、1日2回は疲れると話しているのが聞こえた。

今回見たのはB班のグループ。A、B班のキャストの違いは、エドリエーナとルシアーナ姉妹、それにエミリアの役で、それ以外はどちらにも出演である。

そのエドリエーナとルシアーナの二人を見ていると、『じゃじゃ馬ならし』のキャタリーナとビアンカをつい思い浮かべた。

鈴木絵美のエドリエーナのガミガミ女ぶりは結婚前のキャタリーナを思わせ、南出めぐみのルシアーナは控え目でおとなしく見えるが、結婚するとビアンカのようなるような雰囲気を感じさせた。

『間違いの喜劇』を面白くするのもしないのも、ドローミオ兄弟次第だろう。

その意味ではドローミオ兄を演じた五島三四郎、弟を演じた若松小百合は文句なくよかった。

これまでに観てきた『間違いの喜劇』ではシェイクスピア・シアターの半仮面をつけての演技が一番印象的だが、仮面などなくても二組の双子の取り違え騒動を楽しむことができた。

シェイクスピア初期作品としてのはつらつさを感じさせる舞台を楽しませてもらった。

タイプス代表の新本一真は、イージオンとピンチ先生を演じた。

商人バルターザー(瀬川新一)にバルターザー夫人とその息子を原作にない人物として登場させるが、アンティフォラス(兄)がその夫人と息子も同伴で娼婦の館ポーペンタイン亭に行くという設定は少し無理な気がするので蛇足だろう。

この舞台の演技賞は、表情、台詞回しもよかったドローミオ兄弟を演じた二人、五島三四郎と若松小百合にあげよう。

上演時間は、休憩もなく1時間40分程度でコンパクトに濃縮された舞台であった。

 

(訳/小田島雄志、演出/パク・バンイル、7月24日(日)昼の部、両国のシアターX(かい)にて観劇)

 

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