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  板橋演劇センター30周年企画 『リチャード二世』       No. 2010-016
 

板橋演劇センターが30周年を迎え、それを記念しての企画、『リチャード二世』と『ヘンリー四世』を7月17日(土)から19日(月)までの3日間、一日2演目を連続上演した。

シェイクスピアの歴史劇、いわゆる英国史劇8作品をすべて上演した劇団は国内では出口典雄のシェイクスピア・シアターを除けば、この板橋演劇センター以外にはないだろう。

それだけでも快挙であるが、個人が主宰しての劇団が30周年を迎えるのは、これもシェイクスピア・シアターの他にはないだろう。

愚直なまでにシェイクスピア一筋、それも小田島雄志訳で、その台詞の言葉にこだわっての上演も他に追随を許さないものがある。

板橋演劇センターといえば、地元の人が気軽な形で見に来られる地域に密着した劇団というイメージが強かったのだが、今回の企画では英国史劇という一般の人にはなじみが薄いというせいか、地元の住民の方が見に来ているという印象ではなかった。

私は最終日の19日(月)、3連休の最後の日、それも時間の都合で『リチャード二世』だけを観たのだが、観客席は三割もふさがっていなかったのではなかったのではなかろうか。

地域密着型の劇団として地道な活動を続けられているが、見る人がいての芝居であるので、地元の住民の人々や学校などにもっと積極的なアプローチをして、観客数を増やせば演じる方ももっと張り合いが出ると思う。

この日は、ヨーク公を演じる村上寿が上演時間になっても到着せず、連絡もつかないというハプニングがあり、開演も20分ほど遅れ、その代役に急遽鈴木吉行が立った。

まったく台詞も稽古をしていない急場であったので、台本を持っての立ち読みの代役であったが、その台詞力は実に見事であった。

これまでも地域の劇団の代表者が参加しているが、今回は30周年企画ということもあってか、劇団AUNから星和利、坂田周子が参加しているほか、数多くの劇団からの客演で多彩な顔ぶれで、これまでにない刺激があったように感じた。

主演のリチャード二世は遠藤栄蔵が演じ、ボリングブルックに常連参加の池袋小劇場の山内栄治、ジョン・オブ・ゴーントにはちょうふ★21から客演の神本十兵衛(何と80歳を超えているという)が演じた。

遠藤栄蔵氏は、シェイクスピア没後400年の2016年4月23日までに36作品全部の上演を目指すが、今回の上演で26本目、もう射程内に入ってきたようだ。

なにはともあれ、30周年、おめでとうございます。

 

(訳/小田島雄志、演出/遠藤栄蔵、7月19日(月)昼、板橋区立文化会館小ホールにて観劇)

 

 

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