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  シェイクスピア・シアター公演 『十二夜』      No. 2010-010
 

今回の公演は、『ペリクリーズ』と『十二夜』の共通項として、愛と別離と再会をテーマとしているが、先に見た『ペリクリーズ』はいかにも暗く、見ていてもしんどくなるばかりであったが、それと較べればはるかにましな舞台であった。

舞台装置はいつもの通り何もなく、舞台中央に緑色の簡素な椅子が一脚置かれているだけである。

衣裳も『ペリクリーズ』同様に、場違いな印象を与えるものもあり、統一性やコンセプトに欠けるものであった。

陰にこもる台詞回しも一部にあったものの、全体的には明るく、活力もあるものであったが、主役のヴァイオラ(金沢祥子)の台詞と演技がいただけない。

演技に若さがなく、声にも艶がなく、兄セバスチャン(Studio Lifeからの客演、林勇輔)との再会の場面にも盛り上がりがなく、高揚感もなかった。

そのため、残念ながら演出上のテーマである愛と別離と再会のコンセプトも伝わって来なかった。

ヴァイオラは、力量からすれば住川佳寿子の役どころだろうが、彼女はマライアを演じていた。

平澤智之がマルヴォーリオを力演し、喜劇的演技には欠かせない木村美保がフェステを演じ、サー・トービーは松本洋平が演じた。

今のシェイクスピア・シアターで良くも悪くも安心して見ていられるのはこの4名ぐらい。

今回は客演として、Studio Lifeの林勇輔以外に、文学座から、オリヴィア役に松山愛佳とオーシーノー役として椎原克知が参加。

上演時間は途中10分間の休憩をはさんで2時間40分。

 

(訳/小田島雄志、演出/出口典雄、5月14日(金)夜、俳優座劇場にて観劇)

 

 

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