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  シェイクスピア・シアター喜劇四作品連続上      No. 2009-018
 

〜劇団創立35周年記念、『夏の夜の夢』 『間違いの喜劇』 『じゃじゃ馬ならし』 『から騒ぎ』 〜

シェイクスピア・シアターが創立35周年を迎えての記念公演。

シェイクスピア・シアターは1975年5月に劇団旗揚げし、1981年5月にはシェイクスピア全作品(37本)の上演達成という快挙を成し遂げている。

僕のシェイクスピア・シアターとの出会いは、1993年5月、当時のパナソニック・グローブ座での『夏の夜の夢』と『間違いの喜劇』からで、特に『間違いの喜劇』との出会いは僕にとって衝撃的ともいうべきものであった。

軽快なアクションとテンポに圧倒され、仮面劇としての祝祭性が楽しく、しかも双子の兄弟の取り違えが非自然なく伝わってきてすべてが驚きであった。

シェイクスピア・シアターの『間違いの喜劇』は、これまで見たどの劇団の『間違いの喜劇』より、鮮烈で、楽しく、面白い演出だと思っている。

今回座席はD列11番(『夏の夜の夢』を除いて3演目ともこの席であった)で、前列から4番目でしかも舞台のちょうど中心にあたり、いつもの小道具である白いボールが真正面の位置に置かれていたのがすごく印象的で感動的だった。

『夏の夜の夢』では、94年9月に上演された三部作が今でもシェイクスピア・シアターの最高傑作だと思っている。

その後この二つの作品は幾度となく見ることになるのだが、演じる俳優は変わってもその楽しさは色褪せない。

今回の記念公演は一挙四作品連続上演で、『夏の夜の夢』が2ステージ、『間違いの喜劇』と『じゃじゃ馬ならし』がそれぞれ1ステージ、『から騒ぎ』が4ステージの構成になっているので、メインは『から騒ぎ』であろう。

『から騒ぎ』にはかつてのなつかしい劇団員の客演も最も多く、ドン・ペドロに押切英希、ドン・ジョンに内田聡明、また今回全公演に出演の松木良方がここではレオナートを演じ、『じゃじゃ馬ならし』と『から騒ぎ』に出演の星和利がレオナート、また平澤智之といいコンビだった松本洋平が今回全作品出演し、ここではドグベリーを演じている。

『から騒ぎ』でベネディックとベアトリスを演じる平澤智之と住川佳寿子は、今ではシェイクスピア・シアターの看板スターとしてすっかり定着してきて、風格も備わってきたように見える。

中島江美留もヘレナ、ルシアーナ、ビアンカ、ヒーローを、ハーミア、エドリエーナ、キャリーナ、ベアトリスを演じる住川佳寿子の相手役としてのバランスがうまく釣りあっていた。

ボトム、ドローミオ兄弟、グルーミオなどを演じる木村美保も道化役としてはシェイクスピア・シアターでは右に出るものがいないといっていいのではないかと思う。

『から騒ぎ』でもう一つ印象に残ったのはバルサザーを演じる中川奈美の歌。

自分が遭遇してからもシェイクスピア・シアターの劇団員は大いに変化してきたが、今回35周年を迎えるにあたっての現有メンバーは、良い具合に円熟してきた段階だと感じた。

 

秋の公演(11月)は久しぶりに『ハムレット』が、紀伊国屋ホールで上演される。

そのキャスティングを自分で想像して組むのも楽しい。

(演出/出口典雄、5月24日(日)〜28日(木)にかけて4演目を、池袋の‘あうるすぽっと’にて観劇)

 

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