観劇日記 あーでんの森散歩道 高木登
 
  アカデミック・シェイクスピア・カンパニー第33回・10周年記念公演第3弾
 そのコンセプトは"雌(おんな)がいて雄(おす)がいる" 『ジュリアス・シーザー』
No.2006-030

 通路に桟敷席を設けるほど満席。
 開演前、ASC代表の綾乃木嵩之と副代表の菊地一浩によるビフォーア・トークで、ASCの演技の約束事(コンベンション)などの説明があった。そのときに、今日初めてASCの公演を観に来た人ということで挙手をさせたら、見渡した範囲で3割ほどいた。
 登場人物は全員黒の衣装で、コロス役の女性二人(野口真由美と日野聡子)だけが白の衣装。
 全体のイメージとしては、綾乃木嵩之が演じるキャシアスが中心人物に見える構造であった。
 印象的だったのは、キャスカとオクテーヴィアスの二役を演じた鈴木浩史。特に、キャシアスが自殺したところで、死者に鞭打つような粗暴な振る舞いをしようとしたときにアントニー(戸谷昌弘)に制せられる場面。皮肉屋のキャスカと嫌味たっぷりのオクテーヴィアスをうまく演じ分けていた。
 コロスを演じた二人の女優も印象に残った。
 菊地一浩はブルータスと占師を演じ、ジュリアス・シーザーは瀬川新一が演じた。

 

小田島雄志訳、綾乃木嵩之演出
12月23日(土)14時開演、銀座みゆき館劇場、チケット:3800円、座席:D列6番

 

 

>> 目次へ