観劇日記 あーでんの森散歩道 高木登
 
  子供のためのシェイクスピア・シリーズ 『十二夜』      No.2006-007
 

 時間を読み違えて20分遅刻。
 シザーリオがオーシーノー公爵の使いでオリヴィアに求婚の伝言を伝えに来るところから観ることになった。開幕の20分間を見逃したのは残念だったが、途中から見るのも何か別の意味で新鮮な感じがした。
 新鮮に感じたのは、マルヴォーリオを演じているのが、このシリーズに初回から全作品出演している戸谷昌弘だと最初は気付かなかったせいもあるだろう。それほど全く別人に見えた。
 全体的に新鮮な感じがしたのは、『十二夜』はこのシリーズでは3回目の上演となるが、今回、演出の山崎清介が新たに脚本を書き直したということによるせいかもしれない。まったく新しい作品を見る気がした。
 演技では、戸谷昌弘と同じくこのシリーズ全作品に出演している伊沢磨,紀のマライアとセバスチャンの二役も非常によかった。オリヴィア役の植本潤はさすがというほかはなく余裕のある上手さで、今回このシリーズ初参加の円城寺あやの道化役フェステもうまくはまっていてよかった。マルヴォーリオがマライアの書いた偽の手紙を読む場面で、植本潤がアドリブで登場するいたずら天使の遊びも面白かった。
 ベテランの佐藤誓のサー・アンドルーと山崎清介のサー・トービーのコンビネーションも楽しい配役だし、そして今回人形はフェービアンの役で、サー・トービーの子供の設定になっているのも面白かった。
 アントーニオを演じる劇団宇宙堂の土屋良太は、これまでのこのシリーズに参加してきた俳優とは少し違っていて、そこがまた新鮮味を感じさせてくれた。
 今年これまで観てきたシェイクスピア劇の中で一番楽しんで観ることができた。


(脚本・演出/山崎清介、美術/岡本謙治、3月19日(土)、新国立劇場・小劇場にて観劇)

 

 

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