高木登劇評-あーでんの森散歩道
 

   アカデミック・シェイクスピア・カンパニー第24回公演 『十二夜』  No. 2002_015

〜 「あなたはだれかを思いやっていますか」 〜

 アカデミック・シェイクスピア・カンパニーの代表で演出者である彩乃木崇之は、シェイクスピアとの取り組みに常に新しいテーマ性を追い続けている。
 今回の『十二夜』は、「思いやり」をテーマとした演出である。
 1時間45分という短縮された上演時間の中で、道化フェステを5人で演じさせることによってコーラスの役目を担わせる効果を生み、濃縮された舞台効果を作り上げている。
 開演までの観客の客席案内をその5人の道化、フェステが務める。菊地一浩のマルヴォーリオが、顔面の表情を豊かに演じて熱演。ヴァイオラの鈴木麻矢、オリヴィアの那智ゆかりの競演が光る。
 1時間45分と凝縮された上演時間ながら、濃縮された味わいがある。


訳/小田島雄志、演出/彩乃木崇之
6月10日(月)夜銀座みゆき館劇場


>> 目次へ