座興的に英語の台詞も入る。
妖精パックは猫のイメージにメーキャップ、柄本明のオーベロンは燕尾服の上着に、下半身は股引をつけ、擦り切れた下駄履きという珍妙な恰好で象徴されるように、シェイクスピアを徹底的にお遊びにしたチンドン屋風の祝祭劇。
お遊びの演出としては、アセンズ(アテネ)の職人ピーター・クィンスは、おむつを付けた寝たきり老人で点滴を持っての登場。
全体的に台詞回しがシェイクスピア劇とはほど遠く平板なのは、この劇団の特色のようなものか。
「非」劇的なる台詞回しで、劇的リアリズムとは相いれない倦怠感とけだるさを感じさせた。
これもまた、ひとつの『夏の夜の夢』。
翻訳/福田恆存、演出/柄本明
1月2日(水)夜、下北沢・ザ・スズナリ
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