2年半ぶりの再演。
この日は公演初日とあってか、演出の蜷川幸雄が自分の席の近くの入り口付近で上演開始から終わりまでずっと立ったまま舞台を見つめていた。
前回(1995年)に見たとき同様、開演開始30分前から舞台上ではすでに楽屋裏風景画が演出されていた。
ハムレットの真田広之、オフィーリアの松たか子は前回と変わらず、ガートルードが三田和代から加賀まりこ、クローディアスが辻萬長から瑳川哲朗に変わった。
今回は、ちょうどケネス・ブラナーの映画『ハムレット』が上演されているときと重なって、より刺激的でもあった。
個人的な感想としては、前回の初演より今回の方がよかったと思ったが、それは多分にブラナーの映画版との比較において観ることができたせいかも知れない。
今回自分として非常によくものが「見えた」ことの一つに、ひな人形と舞台装置の階段の巧い使い方で、ひな壇の表象としての階段を、旅役者の劇中劇のセットをはじめとして全編通じて巧みに使用していることであった。
(訳/松岡和子、演出/蜷川幸雄、美術/中越司、1988年3月2日(月)18時30分開演、
銀座セゾン劇場にて観劇。チケット:7000円、座席:(A席)23列1番)
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